■9.17 三重 宮川水系 ■天候/嵐

山は獣たちのもの

 いつもの林道を登るにつれ、雨脚が強くなってきた。霧も出始め、相変わらずだなココはと思いながら運転していると突然、鹿の群れが目の前に飛び出してきた。その後、何頭かの鹿と遭遇しながら車止めに着く。さすがこの山は獣が濃い。雨に濡れながら、準備をすませひとけの無い杣道を歩き始める。途中の沢筋では子鹿の死骸を見つけ驚く。獣も一歩間違えればこうなる谷なのだ。さらに入渓地点の少し手前で猪の親子づれを発見。面倒なことになると嫌なので、ショートカットでやり過ごす。本当に今日は、獣が濃い。この雨で獣たちが活性化しているのであろうか。それとも満月のせいだろうか。
風に敗けない釣法を
 谷に着いてみると大増水。とても徒渉できるような水量ではない。しかし、濁りはさほどでもなく脇のタルミを狙えばなんとか釣りになりそうだ。本降りの雨、横殴りの風となかなか手強いコンデションで釣り始める。最初こそ飛ばし竿を振っていたのだが、風に敗けて早々にリタイヤ。餌竿使用のパラシュートスタイルに変更する。短いライン、ガン玉の重さが風の影響を弱めてくれる。

雨が気配を消してくれる
 平水ならば2級クラスのエリアだが、この増水なら3級と呼んでいいだろう。流心部は隆々と流れる水でまず、あまごはついて居ない。脇のタルミを釣り上がることにする。まずは15ほどのチビを掛ける。見ると腹がパンパンに膨らんでいる。ストマックポンプなど持ちあわせていないので、何を食べているかは解らないが、とりあえず活性は高そうだ。さらにこの天候で、こちらの気配も消えているらしく、5m以内の距離でも釣りになる。

理論より、遊びごころ
 徒渉ができず、釣れるポイントは限られているゆえ、遡行速度が極端に遅い。汗をかかないので、寒さを感じてしまう。こんな日に釣りなんてする馬鹿は、そういないだろう。
 物事を悪い方にとらえると、身体が動かなくなる。むしろ積極的に楽しんでしまう思考が、頭を活性化させ、事故を防ぐのではないだろうか。釣りにしても、余裕があればこそ結果が出るはずだし、たとえダメだとしてもスキルアップに繋がるだろう。自然を相手にした遊びなのだから、自分の都合で現象をとらえてはだめだ<br>  その後、ほどなく昼食場所に到着し、身体を暖める。あとはいつもの定番を楽しみに、2時間の帰路についた。今期最後のあまご釣りは、こうしたタフコンデションのなかで終了したが、また良い経験をさせてもらった。

■かなりの増水だったが、ささ濁りの状況。とにかく徒渉、遡行が困難を極めポイントが限られた。釣果はお寒い結果だったが満足はしている。それはやはり、このホームの懐の深さを肌で感じることができたからに、他ならない。

今日の一節
忍びが通る獣道 雨が兎の気配消す

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