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Vol.3 Mar.2004

3回目のおめもじとなりますこのたびは、
ノルウェイ及びフィンランドのバンドを取り上げてみたいと思います。
最後までなにとぞおつきあいのほどを。
/

/
といっても別に、私、
北欧マニアでもなければ
意図的にアメリカやイギリスのバンドを
避けてる訳じゃないんすよ。
ただ、
昨今の両国からは私の耳目を捕らえるような
「これ!」
というバンドが
あまり登場してこなくて。
/

自分の情報不足もあるのでしょうけれど、
これって一体どういうことなのかしらね? 
と、
長年のロック友達と話していて

結局、音楽が一大ビジネスになっているところは
つまらないって感じちゃうんじゃないの?

という結論に達しました。
/

ラジオやテレビから
垂れ流し的にその時々で流行っている
(つまり企業にとってはお金になる)
音楽が与えられているところと、
自分が面白いと思う音楽を
意図的に見いだして、
意識的に音楽に触れていかなければ
どうにもならない場所との違い。
/

適当にカヴァー・バンドをやって
お茶を濁していても食べて行かれるところと、
副業をもたないと
結構大変だったりするところの違い。
\

そんなものが
サウンドにも自ずと現れているんじゃないか、
と言ったら言いすぎでしょうか? 

ま、

前置きはこのくらいにして。
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GLUECIFER

最初に取り上げるバンドはノルウェイのGLUECIFER
/

彼らは以前には日本でもアルバムが出ていたのだけれど、
ここ2作は残念ながらリリースがなく
輸入盤でしか手に入りません。

一説には
"ルックスがいまいちだからメディアが押してくれなくて"
という声もあるようですが、
かっこいい音楽をやっていれば
いまいち好みじゃないタイプでも
かっこよく見えちゃう私としては
顔で判断して結論だせるってことは
彼らの音楽の本質が
全くわかってないってことだよな
なんて思っちゃう訳です。

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結成は1994年、シングルの
"God's Chosen Dealer"
でデビューしたのが1995年。
メンバー・チェンジが幾度かあったらしく、
EURO BOYSのメンバーや
TURBONEGROのメンバーも
在籍していたことがあったという
(ノルウェイのシーン、はっきり言って狭い!)
彼らですが、
スウェーデンの男気ロケンロー・バンド
HELLACOPTERSの推薦もあって、
スウェーデンのWhite Jazzと契約。
アメリカはSub Popからのリリースとなって、
3rdアルバム
「TENDER IS THE SAVAGE」
まではこの組み合わせのリリースでした。
/

2003年初頭にリリースされた4作目
「BASEMENT APES」から
スカンディナヴィアではSony
ヨーロッパではSPVにリリースは変わっていますが、
メジャー契約になったといっても
音の面で大きな変化はありません。
もちろん曲作りや演奏面では
著しく成長の跡を見せているし、
曲もどんどんヴァラエティ豊かに
面白いものになっていているけれど。

で、

その彼らが2004年1月にメジャー2作目、
通算5作目のアルバムとしてリリースしたのが
今回取り上げる

「AUTOMATIC THRILL」

な訳です。

ちなみに彼らはHELLACOPTERSと一緒で
シングルを結構切っているし、
HELLACOPTERSとsplit CDなんぞも出してますんで
興味のある方はそちらもどうぞ
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前作の
「BASEMENT APES」
もかっこよかったんですよ。
ええ、それは確かに。
/

頭4曲の疾走感や
メロディの揺れ具合なんてもう
「いやー、すげえ」
と言いたくなるくらいよかった。

ただ、

その勢いがアルバム最後まで続いたか、
といわれるとちょっと
「………」
だった訳です。
/

今思うと
曲の並びとかヴァラエティに
ちょっと原因があったかな?
という気もするのですが、
今回の
「AUTOMATIC THRILL」
ではそういった前回
「……」
だった部分が見事に解消されています。
/

ミドル・テンポの
ややヘヴィめなロックン・ロール・ナンバー

"Automatic Thrill"

で幕を開け、
ヴォーカルのBiff
淡々としたモノローグをフィーチュアした

"The Good Times Used To Kill Me"

で幕を下ろす、
40分に満たないこのアルバム。
/

ちょっと不思議なムード(中近東風?)の漂う曲や、
爆走ロックン・ロール、
さらにはねばっこいミッド・テンポ・チューンと
色々な味わいが楽しめる内容となっているのです。
/

さらに彼らの場合、
全体になんともこう乾いた雰囲気が漂っているんですね。

マイナー・キーの曲をやっていても
湿り気があまりない。
二日酔いで頭がんがんでも、
喧嘩に負けて顔に青たん作っても、
くわえ煙草で
「ま、こんなもんだろ」
って
くちびるの片方だけ上げて笑うような、
ちんぴらっぽいドライさ、
とでも申しましょうか。
/

あんまり音を聴く前から
先入観与えたくないんですけど、
彼らの場合
全体に漂う乾いた手触りが
かなりの特徴ではないか、
と思われる訳でして。
/

サウンド的には
実はTHIN LIZZYからの影響が大きいんじゃないかな、
と思うところが多々あります。
THIN LIZZYといえば
ツイン・リード、

パブロフの犬さながらに反応しちゃう方が
日本には多く見受けられますが、
本質は優れた歌詞を伴う
ブルーズにも影響を受けた
ロックン・ロール・バンドだったのではないか、
と思うんですよ。
/

日本ではどうしても
アイリッシュ・トラッド色とか
John Sykes加入後のメタル路線とかが
語られてしまっているように思うんですが
(誤解だったらごめんね)
むしろ男っぽい、
ごつごつした手触りのロックン・ロールを
彼らはやっていたんじゃないか、
と思うんです。
(もちろんトラッドの影響も大きいのは確かですが。
でもさ、
アイリッシュ・トラッドって
アメリカに渡ってヒルビリーになって、
ロックン・ロールのルーツにつながってるんだから
あながち的はずれじゃないっしょ?)
/

THIN LIZZYや、
さらにはAC/DCなどの
そういう基本に近い路線を
結構GLUECIFERというバンドは
継承しているように思います。
Phil Lynottのような詩人ではないとは思うけれど)
/

GLUECIFERのもう一つの特徴は
ヴォーカリストのBiffが歌えるってところ。
彼がシャウトも歌も行けるタイプなので、
どんなに疾走するチューンでも
ちゃんと歌にメロディがあるんですね。

だから

歌メロで曲を盛り上げていくことが出来る。
これはプラスです。
シャウトでたたみかけてきて
わくわくさせてくれる、
これもさらにプラスです。
/

私だけなのかもしれないけれど、
例えば同じリフや言葉を何度も何度も繰り返し
一種のトランス状態のようになって、
それがある瞬間爆発する、

これは

ライヴで物凄い快感を与えてくれます。

あるいは

コーラスを繰り返しながら
クレシェンドで音量と感情が一緒に盛り上がっていって、
もうこれ以上行かれない
というところで一気に解放される、

これも

涙が出そうになるくらい感情が炸裂します。
/

こういう
"かっこいい曲のツボ"
がGLUECIFERの曲にも
ちゃんとちりばめられているんですね。
/

「BASEMENT APES」
収録の
"Easy Living"
はトランスから爆発へ、
「AUTOMATIC THRILL」
収録の
"Here Come The Pigs"
はシャウト型コーラスを
ライヴで歌ったらさぞや気持ちよかろう、
と思われるタイプ。
/

こうして書いていてもライヴが観たくなってきます。
/

ロックン・ロールってやっぱり、
ライヴが勝負だと思うんですよ。
だからアルバムを聴いて
ライヴが観たくならない、
身体が動かない、っていう音は、
どんなに音楽性の高いことをやっていても
それは

"つまらない"

作品になってしまう訳でして。

そういうことからいくと、
このGLUECIFER
「AUTOMATIC THRILL」
は文字どおり、
私にとってはスリリングな作品なんです。
/

あ、
/

書き忘れたけど、
彼らってメジャー・キーの曲も面白いっすよ。
"Round Round"
(RATTにあらずってあれは"Round And Round"か)

スコーンと突き抜けた
妙に明るいサウンド。

一瞬

1970年代の
アメリカン・ロックかと思っちゃったよ、あたしゃ。
(ここでGRAND FUNK RAILROADを思い出した方。同年代ですね)
/

も一つ書き忘れたけど、
彼らは
CATO SALSA EXPERIENCE
ともお友達のようで、
「BASEMENT APES」
にも
「AUTOMATIC THRILL」
にも
Cato Salsa
がキーボードで参加してます。
(だからノルウェイのシーンって狭いんだって)
/

GLUECIFER
オフィシャル・サイトに
ちゃんとJukeboxがあって
音を聞くことが出来ますので、
輸入盤のオーダー出す前に
チェックしてみるといいかも。
/

ギタリストの
Captain Poonの勇姿も拝めます。
GLUECIFERで検索かけるとすぐ出てきます。

間違っても

Captain Poonで検索かけないように。
(ポルノサイトに行っちゃいます:大汗) 

/
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finland.gif
S
PIHA

もう1バンド行きましょうか?
/

フィンランドってのも結構ロックが盛んな土地でして、
最近じゃNEGATIVEっていう美形フロントマンの
Jonne Aaronを擁するバンドが
日本でも評判ですが、
古くはHANOI ROCKSがおりますし、
CHILDREN OF BODOMのような
ヘヴィなメタル・バンドから
女性ヴォーカルがフロントを務める
ゴシック・メタル・ブーム
(ヨーロッパの大陸では凄い人気です)
の先駆けとなり多大な人気を誇るNIGHTWISH

さらには

日本デビューはしていないものの
アルバム4枚合わせて
200万を超える売り上げを記録している
大人気のH.I.M.
(ゴシックっぽいサウンドだけど
本人達はラヴ・メタルと申しておりますので、
そういう認識で一つよろしく。
あ、
私、
ライヴはともかく
H.I.M.のアルバムは大好きなのが多いんで)

と、

色々いいバンドがおります。
/

残念ながら
知名度が上がらないとなかなか日本にまで
音が届かないことが多いのですが、
ロックン・ロール系にも
いいバンドがいるようでして。

っていうかさ、

ノルウェイ、スウェーデン、フィンランド、デンマークって
この4ヵ国ロックン・ロール・バンドの交流の多さ、
深さといったらあーた、

「結局みんな知り合いじゃん」

と言っても過言ではないような。
絶対相関図書きたくないパターンですね
\

ところでみんな何語で話してるのかしら?
 英語かしら?
ノルウェイのバンドと
スウェーデンのバンドだと
お互いが自国の言葉を使っていても
60%くらいは通じそう。
フィンランド語は難しいだろうけど
\finland.gif
今回紹介するSPIHAは、
私が
TURBONEGRO
HARDCORE SUPERSTAR
などが好きと聴いた(読んだ)
私の20年来の友人S
(アメリカ人。コペンハーゲン在住)
が「それじゃきっとこれも気に入るよ」
と紹介してくれたバンドです。
/

当然Amazonなどには入っていなかったので、
フィンランドのヘルシンキにある
StupidoというCDショップの通販を利用して
CD「EGOREACTOR」を購入したら、

これが

「もー、Sったら私の好みよくわかってんじゃないのよお!」
と言っちゃうくらいの大ビンゴ!(笑)
「よかったよー」
「だろ? 実はマネージャーと友達なんだよ」
「……(早く言えよ)」

と二人の会話は落ちがついちゃいましたが、
サウンドは落ちもなく(あってたまるか)
これもまた腰の据わった
骨太のかっこいいロケンローなんですね。
/

彼らについては前がありそうな人達で、
結成されてから4,5年以上経っているらしい
ということくらいしかわからないのですが、
サイケデリックからの影響も
ちらりほらりと匂わせつつ、
音はズバリ
「(再結成後の)THE CULT+HELLACOPTERS」
って感じ。
/

特に

ギターのきらきらした感じの音作りは
HELLACOPTERSに共通するものがあります。
/

ヴォーカリストは
音域はちょっと狭そうだけど、
こちらは歌い上げるタイプで、
低音域から中音域を活かし、
そこはかとなく哀愁を漂わせつつ淡々と、
という雰囲気。
/

でもここで聴いていて

「お、センスいいな」

と思ったのは
実はキーボードなんですね。
/

ロックン・ロール・バンドのキーボードって
ピアノ、それも飛んだり跳ねたりのピアノ
(ホンキー・トンクって言って今、通じるのかしら?)
が主体のパターンが多いんですが、
SPIHAはピアノのみならず、オルガンとか
結構1970年代の
ロック・バンドで聴かれたようなキーボード・サウンドを
凄く上手に使ってるんですよ。
/

キーボードがメインのリフをプレイしていたり、
バッキングでもかなり気を遣ったプレイになってます。
(つまりアレンジが上手ってことなんだろうけれど)
/

こうしてギター2本にキーボード、
3台のメロディ楽器が
それぞれにセンスのあるプレイを聴かせてくれるので
アルバム1枚トータルした時に、
かなり緻密に自分達の世界を構築出来ちゃってるし、
歌詞がたとえ4行しかないような曲でも
(本当です)
聴かせてしまう。
/

これは特技と言えるかもしれません。

/

ちなみに"Samurai Of The Sound"という
日本人が聴くとこそばゆいような
タイトルの曲もあるんですが、
これには
フィンランドのゴシック・ロックン・ロール・バンド、
THE 69 EYESJylkiも参加しております。
/

Stupidoもおそらく検索をかけると出てくると思います。
英語とフィンランド語表記ですが、
英語で大丈夫です。
ここはクレジット・カードを使うと
非常に迅速に処理してくれます。
(最短4日で来てのけぞりました。国内のサイトよりよっぽど早いって)
/

というわけで、

今回はノルウェイとフィンランドのバンドを紹介いたしました。
/

いいバンドって
本当に世界中に散らばっているし、
歴史上にも散らばっているんだよなあ、
/

と、
/

色々な国のバンドを聴くと思います。
アメリカとイギリスの2つの国のバンドだけが
世界中のシーンを牛耳ってるなんて
本当はちょっとおかしなことなのかもしれないですね。
/

それではまた次回。

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