#29 サラダ記念日
しつこいかとは思うが、バイトの毎日が続いている。
僕のバイトはファミレスのウェイターです。しかし、デ○ーズやガ○トのような、某有名チェーン店
ではなく、個人経営の経営的にはかなり”ヒヨッている”レストランである。
そのレストランには当然ながら、僕以外にもバイトがいるわけであり、それは今日のバイトの時である。
女子高生のウェイトレス、Hちゃんがオレのもとへと走って来た。
何であろうか?遂にオレの魅力に気づいてしまったあげく、愛のビートが止まらない?
と思ったら、全然違う。
「すみくん、すみくん、大変だ!やっちまった!」
ちなみに、オレはもうこのバイトを3年半やっており、バイトの中では2番目の古株。
何かと指示を聞かれる立場にあったりするのである。その時も、どうせしょーもない事であろうと
高をくくっていた。
「何だよ?」
「とにかく、こっち来て、こっち!」
言われるままに奥の方へと行ったオレは言葉を失った。
うちの店、ナポリタンをオーダーすると、ミニサラダも付いてくるのです。そして、そのサラダに
あらかじめドレッシングをかけてお出しするわけですが、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
Hちゃん、何をカン違いしたのかドレッシングをサラダにではなく、ナポリタンの方へと
ぶっかけた模様・・・。
しかも、大量投入した模様・・・。
Hちゃん、新ナポリタン(たっぷり酸味味)を誕生させた模様・・・。
「お・・・、お前、何やってるんだよ・・・。」
「ど、どうしよう?」
幸い、今ここにはマネージャー(偉い人ね。)はいない。
つまり、決定権はオレの手中にあるのである。
チャンスである。
「混ぜろ!!!」
「ええ?」「ええ?じゃない。」「混ぜてわかんなくすんだよ!」「ほら、フォーク持って!」
「ここをこう。(混ぜ。)」「こうだ!(混ぜ。)」
「こ、こうですか?」「違う!こうだ!」「すいません!こうですね!」「そうだ、その調子だ。」
・・・と言う微笑ましいやり取りの後、ナポリタンの見た目は完全にGOサインが出せるようになった。
よし・・・。
「では、お客様の所へお出しして参りなさい・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
悪魔か、オレは・・。
でも、これは仕方がなかったのである。だってさ、厨房の人達(正規の従業員)、恐いんだもん。
ホールのバイト君(ちゃん)達などでは、「ごめん、作り直して。」などと、気軽に言う事なんて
できやしないのである。
かくして、ナポリタンはお客様であらせられる、6番テーブルの制服着た女子高生グループの
一人、ミキちゃん(そんな名前の気がする。)の元へと運ばれた。
------20分後------
か・・・、完食ですか?ミキちゃん?
きっと、おいしかったのでしょうね。
君がそう言ってくれるなら、今日はサラダ記念日。
(2001,10,7)
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